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しつこく言ってもなかなか治らない [誤答例]

高校進学直後によく見られる誤答例だ。

プラスマイナスなし.jpg


生徒の目からすると「±を忘れただけじゃん」と見えるようだ。こう見て自分の間違いを正当化しようとする生徒は中堅の高校に多い。

しかし、こんな生徒は伸びない。これも中学校段階で × にしておいてほしい誤答だ。

繰り返しになるが、ちょっとした誤りに目をつぶると、生徒は数学の学習に苦労することになる。このカテゴリーに共通した視点だ。


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頭の中と書いていることが違う [誤答例]

確かに代表的な誤答だし、センター試験のような「答えが合えばいい」試験の勉強をしているときに見逃しても大きな問題にならない。しかし、この手の答案を書く生徒が難関大学に合格した例を知らない。

=の先がめちゃくちゃ.jpg


微分係数を求めることは、接線の方程式を求めるなど多くの場面で必要とされる。それでも接線の方程式を求める過程でもこのままで困らない。しかし、よく見るととんでもないものを=で結んでいる。

最初の=は微分したもので、=の左には f'(x) が入る。

次の=は f'(x) のxに 2 を代入したもので f'(2)= となっていることが正しい。

「誤答例」のテーマの根底には「学習段階でかける情けは生徒のためにならない」という主張がある。採点時に心を鬼にすることが心苦しければ、小テストをまめにやって、こまめに指摘することを根気強く続けるしかない。

幸いなことに、この指摘をされる生徒の学習意欲は低くなく、これまでの学習段階で個人的に誤りを指摘されたことはほとんどない。「ここさえちゃんとすればミスが減るよ」と優しく指導すれば嫌な顔をする生徒は一人もいない。

努力が報われるようになるのは生徒も同じだ。
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わかったつもりで書いてはいけない。 [誤答例]

高校生は「わかっている」と思って答案を書いている。いや、当たり前だ。しかし、雑な書き方をしても「わかっている」と確信する。その感覚が誤答に直結する。

ちょっと注意すれば正確に書けるのに。今回はミスに直結することは少ないが、あとから見直してみると何やっているのかわからなくなる書き方だ。

=の左.jpg


この場合、「微分しろ」という設定なので左辺には y' が来ることは想像に難くない。

しかし、想像しないと数式が正確に読めないということは根本的に間違っている。これも採点していると「y'しかこない」と読んでしまうので、つい仏心を出したくなる。

しかし、このような「いいかげんさ」は力がついてきてから生徒自身の足を引っ張る。つまり、「苦労して学習した努力を無駄にする」誤りだ。


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カッコは大切 [誤答例]

わかりきっていることに起因する間違いを直すことは難しい。授業中に口を酸っぱくして注意してもなかなかなおらない。もったいないからしつこく話すことを理解してくれないのは生徒が実在するのは悲しいことだ。

これも非常によく見かけ、ミスになる生徒の多いところだ。

タイトルのとおり、カッコの使い方だ。

カッコ.jpg


書いた本人が「計算をわかっている」ことは認める。このように答案を書いてから次の行が正しく計算されている例も多い。答えが合っているということだ。

しかし、これは答えが合っているだけに「やっかい」だ。答えが違っていないから、生徒は自分が間違っていると自覚しない。しかし、このような答案を書く生徒は10問解くと1~2問間違える。他が正解なのでどこで間違えたのか理解できない。

僕自身が授業でしつこく注意するのは、「数学がわかるようになってから足を引っ張る」ことによる。つまり、難関大学の数学のように、正解にたどり着くまでに十ステップ以上の計算を要求される問題は一般的だが、()を飛ばしてやった計算は肝心なところで足を引っ張る。答えが合わない。計算の間違いを探すのが難しい。

繰り返すが、この稿の目的は「ちょっとした工夫で正確に計算できるようになる」ような計算を間違えないところにある。ほんのちょっとした気遣いで正確に計算できるようになるなら、ちょっとした気遣いを大切にできるのではないか。

高校生も数学を教える先生にも注目してもらいたい。

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「降べきの順」をバカにしない。 [誤答例]

高校に入学して一番最初に習うものに「降べきの順」という数式の操作がある。数式の項を次数の高い順に並べるだけなので生徒はすぐにできるのだが、すぐにできるから理解できているとはいいがたい。「降べきの順」の重要さは整式の扱いに直結する点にある。例えば次の例だ。

降べき.png


同じような誤答は「因数分解」でも「二次関数」でも見受けられる。「誤答」タグのコンセプトは「もったいない、もったいない」にあるのだが、ちょっとした作業をさぼることで数学を難しくする、自分は数学が苦手たという失敗経験を積むことは本当にもったいない。

最近は「個人指導」に注目しているが、特に中学生高校生で、勉強しても数学の成績が出ない人は答案をじっくりと見直すか、それをもって教わっている先生の所へ相談にいくとよい。
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あっと驚く計算 [誤答例]

ちょっと絶句した計算を紹介しましょう。いきなり誤答です。

勝手に÷3.jpg


いきなり3で割っていますね。その結果「等しくない式を=でつなぐ」形になっています。

このタイプの間違いは中間レベルの高校でよく見かけます。ということは半分近くの中学生がこのような間違いを見逃されて高校進学を果たしているということです。

底辺にあるのは「答えが合わないと、自分は数学がわからない」と感じるマインドは間違っているということです。

この因数分解の問題は「3乗の差」の因数分解の公式を正しく使うことができるかを見ることが目的です。ただ、その前に係数の3を前に出す必要があり、

勝手に÷3b.jpg


としてから「3乗の差」の因数分解の公式を使えば良かったのに「3乗の差」を見つけた瞬間に因数分解に入るから3がどこかに行ってしまったと思われる。

評価する側からすると「勉強していないわけではない」ことはよくわかります。しかし、誤答です。「勉強してきたのだから」「3を忘れただけじゃないか」と考えると少しでも点をあげたくなる。しかし、この「情け」が試験の場で首を絞めるというのがこのシリーズの趣旨です。もったいないから、本番では絶対に〇にさせてあげたいと思いませんか。

そのために、今、心を鬼にして×をつけるのです。

ここまで勉強したのなら、もったいないですよね。
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誤答例をまとめてみます [誤答例]

未だ現職であることの強みを生かして「誤答例」を紹介しようと思いました。ここで紹介する誤答の例は「数学の教師としてはシンジラレナイもの」で極めて初歩的なものです。

深刻度の順位で公開するものではありません。しかし、特に中学の先生が個人指導で見つけてあげれられればすぐに修正できるものばかりです。授業で紹介していただくのもいいと思っています。

最初は「方程式と因数分解がごちゃごちゃになっている例」です。

誤答因数分解.jpg


これは「因数分解」しなければいけない問題を「頭の中で =0 として」方程式として解の公式を摘要したものです。さらに

誤答方程式の解.jpg


逆にこれは「方程式を解いて x= で答えなければならない」ところを因数分解したものです。

ただし、これらを「指導者としてみると」第1例では要求している内容とは異なるものの「解の公式が正しく使えている」し、第2例では方程式の解は出ていないが「たすきがけによる因数分解が正しくできて」いて方程式の解はこのすぐ後ろにあるわけです。解の公式も「たすきがけ」も「正しくできるようになるためにはそれなりの努力が要求される」ので、これらを×の0点にするには心の痛みを伴います。

しかし、その「温情」がこのような「根本的な誤り」を増長しています。別な回でも書きましたが「心を鬼にして」×をつけないと生徒はわかりません。△でもつければ「このくらいでいいか」と妙な納得をします。そして入試などの「肝心な時に×と評価される」のです。

情けをかけることで、その瞬間の努力を評価できるかもしれませんが、長い目で見ると余計な苦労を生徒にさせてしまうことになります。教えるときは「しっかりと厳しく」教えることが結局は生徒のためになります。
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